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アクセス解析

Plausible Analytics とは?Google アナリティクスの軽い代替を日本語で解説

公開 2026-09-07読了 8 分

Photo: Lukas Blazek / Pexels

この記事でわかること
Cookie を使わない軽量アクセス解析 Plausible Analytics を解説。日本から使えるか、料金、設置手順、Google アナリティクスとの違いを執筆時点の公式情報でまとめました。

アクセス解析といえば Google アナリティクス(GA4)ですが、「画面が複雑すぎて、結局ほとんど開かなくなった」という人は多いと思います。その正反対の思想で作られているのが、エストニア発の Plausible Analytics です。

結論から書きます。日本からでも問題なく使えます。ただし画面はすべて英語で、クラウド版に無料プランはありません(自分のサーバーに置く方法だけは無料です)。執筆時点(2026 年 9 月)の公式サイトの情報をもとに、何ができて、いくらかかるのかを整理します。

Plausible Analytics とは

Cookie を使わない、軽量でプライバシー重視のアクセス解析サービスです。オープンソースで公開されており、エストニアのタルトゥ発。2018 年に Uku Täht 氏が最初のコードを書き、2020 年にマーケティング担当の共同創業者として Marko Saric 氏が参画しました。ベンチャーキャピタルから資金を入れない、いわゆるブートストラップ運営を続けているのも特徴です。

売りは大きく 3 つです。

  • とにかく軽い。公式は計測スクリプトが 2.5KB で、GA4 の gzip 圧縮版 135KB の「54 分の 1」だと説明しています。表示速度を気にするサイトには効いてきます。
  • Cookie を使わない。個人データを集めない設計なので、公式は「多くのプライバシー規制のもとでは、解析用の Cookie 同意バナーは不要」と説明しています。
  • 画面が 1 つしかない。訪問者数・流入元・人気ページ・国・デバイス・ゴール・売上の帰属までが 1 ページに収まっています。ファネルやユーザージャーニー、リアルタイム表示、Search Console 連携もあります。

逆に「やらないこと」も公式が明言しています。セッションリプレイ(訪問者の操作の録画)、ユーザー単位のプロダクト分析、リターゲティング、そして無料のホスティング版は提供していない、と書かれています。ここが割り切れるかどうかが、そのまま向き不向きになります。

日本から使えるか

使えます。地域制限はなく、サイトに 1 行スクリプトを貼るだけの仕組みなので、サイトがどこで運営されていても関係ありません。支払いも Paddle という決済代行を通していて、クレジット/デビットカード、PayPal、Apple Pay、Google Pay に対応しています(銀行振込・手動の請求書払い・暗号資産は不可と明記)。

ただし、日本から使う人が事前に知っておくべき点が 2 つあります。

ひとつは ダッシュボードの UI が英語のみ だということ。公式のフィードバックサイトには多言語化の要望が長く上がっていますが、運営側は「いつか対応したいが、少人数チームのため短期的な予定はない」という趣旨の回答をしています。とはいえ画面に出てくる単語は Visitors・Pageviews・Sources・Top Pages 程度で、GA4 より覚える用語はずっと少ないと感じます。

もうひとつは データがすべて EU 内に保管される こと。公式によると、訪問データはドイツ・ファルケンシュタインにある Hetzner のサーバーに保存され、データベースとエクスポートはフィンランドの UpCloud、CDN と DDoS 対策は Bunny を使っています。AWS・Google Cloud・Microsoft Azure は使っていない、とわざわざ書かれています。EU の規制を意識した構成ですが、日本の会社で「データの保管国」に社内規程がある場合は事前に確認しておくのが安全です。

使い方(登録から最初の一歩まで)

公式ドキュメントの案内をもとに、流れを整理します。

  1. plausible.io で 30 日間の無料トライアルに登録する。 公式は「クレジットカード不要」と明記しています。
  2. サイトを追加する。 計測したいドメインを入力します。
  3. 表示されたスニペットを <head> 〜 </head> の中に貼る。 スニペットはアカウントごとに異なるため、公式ドキュメントには実物のコードが載っていません。管理画面の Sites →(サイトのメニュー)→ Settings → General → Tracking → Site installation の「Review」から取得します。WordPress や Shopify など主要 CMS 向けにはプラグインも用意されています。
  4. 公式のテストツールで動作を確認する。 貼っただけで満足せず、ここで一度確かめておくよう案内されています。
  5. 追加の計測を設定する。 外部リンクのクリック・ファイルのダウンロード・フォーム送信は最初から有効です。404 ページ、ハッシュ形式の URL、カスタムプロパティ、EC の売上などは plausible.init() の設定で追加します。「変更はスニペットを貼り直さなくても反映される」と書かれています。

なお、私はこの記事のために実際に導入して数か月運用したわけではありません。上記は公式ドキュメントに基づく整理です。

GA4 から乗り換える場合は、GA4 の履歴データをインポートできます(Universal Analytics は対象外)。最初の GA 訪問者から最初の Plausible 訪問者までの期間が対象で、1 つのダッシュボードに入れられるのは最大 5 プロパティまで。ただし UTM の流入元、離脱ページ、スクロール深度、時間別の内訳、ブラウザのバージョンは取り込まれず、ゴールは作り直しになります。数え方が違うので数字は一致しませんが、公式も「それが想定どおり」と説明しています。

料金

執筆時点(2026 年 9 月)の公式料金ページの内容です。下の金額は 月 10,000 ページビューの場合 で、アクセスが増えると同じプランの中で段階的に上がっていきます。

プラン 月額 サイト数 メンバー データ保持
Starter 9 ドル 1 — 3 年
Growth 14 ドル 3 3 人 3 年
Business 19 ドル 10 10 人 5 年
Enterprise 要問い合わせ 10 以上 10 以上 5 年以上

ポイントは次のとおりです。

  • 30 日間の無料トライアル、クレジットカード不要。 年払いにすると「2 か月分無料」になります。
  • Business 以上でしか使えない機能 があります。ファネル、ユーザージャーニー、EC の売上帰属、カスタムプロパティ、Stats API(1 時間 600 リクエスト)、Looker Studio 用コネクタなどです。
  • クラウド版に無料プランはありません。 一方、自分のサーバーで動かす Community Edition は無料で、ライセンスは AGPLv3。ただしファネル・ユーザージャーニー・EC 売上ゴール・SSO・Sites API・高度なボット除去は入っておらず、更新も年 2 回程度のペースです。サーバーの運用・バックアップ・セキュリティ更新は自分持ちになります。

課金の対象は「チーム内の全サイトのページビュー+カスタムイベントの合計」です。外部リンクのクリックやダウンロード、フォーム送信、404 の記録はカスタムイベント扱いなので、有効にすると使用量が増える点は覚えておくとよいと思います。一時的なアクセス急増で追加請求されることはなく、2 か月続けて上限を超えると案内が届き、1 週間放置するとダッシュボードが一時的にロックされます(その間もデータ収集自体は続きます)。

Google アナリティクスや日本のツールとの違いと、注意点

GA4 は無料で、できることの量では圧倒的です。広告との連携、ユーザー単位の追跡、BigQuery へのエクスポート、細かいセグメント分析。Plausible が置き換えられるのは、そのうち「毎日ざっと眺める指標」の部分だけです。ここを理解しないまま乗り換えると、後で困ります。

大きな違いは 3 点です。有料であること、画面の量(GA4 は探索レポートまで含めると膨大、Plausible は 1 画面)、そして Cookie 同意まわりの扱い です。GA4 は Cookie を使い、同意が得られなかった場合の挙動をモデルで推定する仕組みを備えています。Plausible は Cookie を使わないため推定が入らず、実際に発生した訪問だけを表示する、というのが公式の説明です。

日本国内のアクセス解析ツール(User Insight、User Heat、Ptengine、SiTest など)と比べると、向いている場面がはっきり分かれます。ヒートマップや日本語での手厚いサポートが必要なら国内ツール、「数字はざっくりで構わないから、とにかく軽く・シンプルにしたい」なら Plausible、という住み分けが現実的だと思います。

導入前に押さえておきたい注意点も挙げておきます。

  • 広告ブロッカーで計測が欠ける。公式は「厳しいブロッカーを使う訪問者はおおむね 5〜25%」としています(読者層によって差が大きい、とも)。Firefox と Safari は初期設定では Plausible をブロックしないそうです。対策は自分のドメイン経由で配信するプロキシで、WordPress プラグインならワンクリック、それ以外は Cloudflare Workers・Vercel・Netlify・Nginx などで自前構築、Enterprise ならマネージドプロキシが使えます。自前でプロキシを立てる場合、X-Forwarded-For で訪問者の実 IP を渡さないとボット判定で弾かれる、という注意書きがあります。
  • 決済の国はあとから変更できない。税制上の理由で、サブスク作成後の国変更は不可と案内されています。
  • 同意バナーが要るかどうかは自分で確認を。「多くの規制では不要」という公式の説明は、主に EU の GDPR などを前提にしたものです。自分のサイトにどの法令が適用されるかは状況によって変わります。本記事は法的な助言ではないので、判断に迷う場合は専門家に確認してください。

まとめ

Plausible Analytics は、Cookie を使わない軽量なアクセス解析サービスです。執筆時点(2026 年 9 月)で日本からの利用に制限はなく、料金は月 10,000 PV なら 9 ドルから、30 日間はカードなしで試せます。

一方で UI は英語のみ、クラウド版に無料プランはなく、GA4 のような深い分析はできません。「GA4 の代わり」ではなく「GA4 のうち、毎日見る部分だけを軽くしたもの」と捉えるのが実態に近いと思います。個人ブログや小規模サイトで、表示速度と画面のシンプルさを優先したいなら、まず 30 日試してみる価値はあります。

本記事は執筆時点の公開情報に基づいています。料金・機能は変更される場合があります。

編集部(本業: IT) 日本からアカウントを作って実際に触ってから書いています。使えなかったものは、使えなかったと書きます。