Bruno とは?Postman の代替になる無料 API クライアントの始め方
Photo: Daniil Komov / Pexels
「API を試すツール」と聞くと自分には関係ないと感じるかもしれませんが、ノーコードツールの設定や外部サービスの連携をいじっていると、意外と登場します。その場面で長く定番だったのが Postman で、最近その代わりに名前が挙がるのが Bruno です。
先に結論を書きます。執筆時点(2026 年 9 月)で Bruno は無料・オープンソースのまま使え、日本からも制限なくダウンロードできます。ただしアプリの表示は英語のみです。ここが最大のハードルになります。
Bruno とは — データをクラウドに預けない API クライアント
API クライアントは、ざっくり言うと「Web サービスに命令を送って、返ってきた内容をその場で確認する道具」です。ブラウザの代わりに、URL・認証キー・送るデータを細かく指定して叩けます。
Bruno の特徴は、その作業内容をクラウドに保存しないことです。公式サイトは「あなたのデータが端末から出ることはない」と書いており、アカウント登録もクラウド同期もありません。保存されるのはパソコン内のプレーンテキストのファイルだけです。
この形式が効いてくるのがチーム利用です。ファイルなので、そのまま Git(プログラムの変更履歴を管理する仕組み)に入れて共有・差分確認ができます。公式サイトの表現では「コードとして保存されるコレクション」。つまり専用のクラウドサービスに寄りかからない、というのが設計思想です。
開発の中心はインド在住の Anoop M さん。リポジトリのライセンスは MIT で、執筆時点の GitHub スターは 47.1k でした。公式サイトには「4M users」「500+ contributors」といった数字と、Microsoft・GitHub・Oracle などの導入ロゴが並びます。こちらは会社側の表示なので、その前提で見てください。
日本から使えるか、日本語対応はどうなっているか
ダウンロードして使う分には、地域制限はありません。対応は macOS・Windows・Linux で、執筆時点の最新版は v4.1.0。Windows は exe・msi・ポータブル ZIP に加えて winget・Chocolatey・Scoop、Mac は brew install bruno、Linux は AppImage・deb・rpm・Snap・Flatpak と、入れ方の選択肢は豊富です。
問題は日本語です。GitHub の README には日本語訳が用意されていますが、アプリ本体の表示は英語のみです。多言語化の要望 issue(#322)は執筆時点でも open のままで、「Bruno は現在 English ロケールのみ対応」と説明されています。つまり、README だけ日本語を読んで、アプリに入ったら英語、という構成です。
とはいえ画面の用語は URL・Headers・Body・Send など短い単語が中心で、日本語の解説記事も個人ブログを中心に増えています。英語アレルギーがなければ十分に越えられる壁だと思います。
使い方 — インストールから最初のリクエストまで
以下は公式ドキュメントをもとにした流れの整理です。私がすべての機能を検証したわけではないので、画面の文言は実際のバージョンでご確認ください。
- 公式サイトの Downloads から自分の OS 用をインストールする
- ホーム画面の
+から Create Collection を選ぶ - コレクション名を入れ、保存形式(BRU か YAML)を選ぶ。ドキュメントは YAML を推奨しています
- 保存先を確認する(指定しなければ
~/Documents/bruno) - コレクションにリクエストを追加し、URL を入れて送信する
アカウント作成もログインも不要で、インストール直後から触れます。親切なのは、コレクションを作ると .gitignore が自動で用意される点です。API キーのような秘密情報をうっかり共有してしまう事故を防ぐための作りになっています。
対応する通信の種類も広く、公式サイトでは REST・GraphQL・gRPC・WebSocket・SPARQL が挙げられています。
料金 — 無料の範囲と Pro / Ultimate
公式の価格ページによると、プランは 3 つです。
- Open Source:$0。API クライアントとしての機能はここに含まれます
- Pro:年払いで 1 ユーザー月 $6。アプリ内での Git 操作(clone・差分表示・pull・commit)、ワークスペース 2 つ、OpenAPI 同期が月 5 回、48 時間以内のサポート
- Ultimate:年払いで 1 ユーザー月 $11。ワークスペース無制限、ブランチ操作やマージ競合の解決を含む Git UI、シークレット管理ツール連携、SSO / SCIM、監査ログなど
Ultimate には 14 日間の無料トライアル(クレジットカード不要)が用意されています。個人が自分の手元で API を叩くだけなら、無料のまま使い切れる設計です。有料版は主に「チームで Bruno を業務フローに組み込む」ための追加機能だと考えると分かりやすいと思います。
ひとつ注意したいのが、以前あった買い切りの Golden Edition が価格ページから無くなっている点です。開発者は GitHub のディスカッションで「購入済みのライセンスは生涯使える。変更は新規購入分にのみ適用される」と回答しています。これから買い切りを期待して調べた人は、現在は月額制になっていると理解しておきましょう。
Postman との違いと、日本での立ち位置
同じ用途のツールとして日本でも広く使われているのは Postman です。どちらが優れているかというより、置き場所の考え方が違います。Postman はクラウドにワークスペースを持ち、チーム共有や履歴をサービス側で面倒を見る形。Bruno はファイルとして手元に置き、共有は Git に任せる形です。
社内の規定で「API キーを含む設定を外部サービスに置けない」という場合、後者は相性が良い選択肢になります。逆に、非エンジニアのメンバーに URL ひとつで共有したい場面では、クラウド型のほうが手軽です。
なお、この分野に日本発の定番サービスはほとんど見当たりません。日本語の情報源は公式ではなく、個人ブログや技術記事が中心になります。API の考え方そのものから押さえたい人は、Web API: The Good Parts のような書籍を 1 冊挟むと、ツールの画面が読めるようになります。
注意点 — 英語 UI、バックアップ、業務利用
まず英語 UI。前述のとおりアプリ内に表示言語の切り替えはありません。
次にバックアップです。クラウドに同期しないということは、パソコンが壊れたらそのデータも消えるということです。Git で管理するか、保存先フォルダごとバックアップする習慣が要ります。
最後に業務利用。MIT ライセンスなので使うこと自体に制約は薄いものの、社内のセキュリティ規定に照らした確認は別途必要です。SSO や監査ログが要件に入るなら Ultimate が前提になります。導入前に、価格ページの機能表を担当部署と一緒に見るのが確実です。
まとめ
Bruno は、API の確認作業を「クラウドのサービス」ではなく「手元のファイル」として扱うツールです。無料のまま個人利用は完結し、日本からも問題なく入れられます。ネックは英語 UI ひとつ。まずは無料版を入れて、コレクションを 1 つ作り、手近な API を 1 回叩いてみるところから始めるのが分かりやすいと思います。買い切り版は現在ありませんので、その点だけ誤解のないようにしてください。
※ 本記事の情報は執筆時点(2026 年 9 月)のものです。料金・機能・対応言語は変更される場合があるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。