Shelf とは?本・音楽・映画の「棚」を作る Z 世代 SNS を日本から使ってみる
Photo: Alina Vilchenko / Pexels
「最近どんな曲を聴いてる?」「何かおすすめの映画ある?」。そんな会話をアプリの中でやろうとしているのが、米国の Shelf(シェルフ) です。Spotify や Netflix などのアカウントをつなぐと、自分が聴いた曲・読んだ本・観た作品が自動で 1 つのプロフィールに並びます。いわば「好きなものの棚」を作って、友だちと見せ合う SNS です。
先に結論を書くと、執筆時点(2026 年 10 月)で Shelf は日本の App Store からも無料でダウンロードできます。ただし画面は英語のみで、App Store で確認できたのは iPhone 版です。この記事では、Shelf でできることと、日本から使うときの注意点を紹介します。
Shelf とは — 「Spotify Wrapped」を 1 年中、本や映画まで広げたようなアプリ
Shelf は、ニューヨークのスタートアップ Koodos が作っているアプリです。App Store の説明文では「Spotify Wrapped、Letterboxd、Goodreads を 1 つにしたもの」と紹介されています。年末に Spotify が出す「今年よく聴いた曲」のまとめを、音楽だけでなく本・映画・ドラマ・ゲームまで、1 年中見られるようにしたイメージです。
App Store の説明(執筆時点)で紹介されている主な機能は次のとおりです。
- Spotify・Apple Music・Netflix・Letterboxd・Goodreads などをつなぐと、見たもの・聴いたものが自動でプロフィールに並ぶ
- よく聴くアーティストやジャンル、時系列の履歴が見られる
- 週ごと・月ごとの振り返り(リキャップ)が届く
- 友だちの「棚」を見に行ける。背景色や並び順を変えて、自分の棚を飾れる
2024 年 9 月の TechCrunch の記事によると、創業者は YouTube のクリエイター部門で働いていた Jad Esber さんで、First Round Capital などから合計約 700 万ドルを調達しています。同じ記事では「追加されたアイテムは 5 億件以上」「ユーザーは週に約 5 回訪れる」といった数字も出ていますが、いずれも本人申告で、総ユーザー数は公表されていません。
米国の学生メディアでは「Z 世代向けの新しいアプリの中でも特に良いもの」と取り上げられる一方で、「好きなものを見せるための消費になりやすい」という指摘もあります。見せ合うのが楽しい人には向いていて、記録は自分だけで静かにつけたい人には少し合わないかもしれません。
日本から使えるか — iPhone なら使える。ただし英語のみ
執筆時点(2026 年 10 月)で確認できたことは次のとおりです。
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 日本の App Store | 配信あり(無料・アプリ内課金あり) |
| 対応 OS | iOS 18.0 以降の iPhone(Apple Vision Pro にも対応) |
| Android 版 | 2024 年の時点で「準備中」とされていたが、執筆時点で Google Play の配信は確認できず |
| 日本語対応 | なし(App Store の対応言語は英語のみ) |
| 年齢制限 | 13 歳以上 |
画面は英語ですが、やることは「サービスをつなぐ」「棚を眺める」が中心なので、英語が得意でなくても迷うところは少ないはずです。
ひとつ注意したいのは、日本の Netflix などのアカウントで自動取り込みがうまく動くかは、公式に案内がないことです。Shelf は各サービスに自分でログインして履歴を取り込む仕組みだと TechCrunch で説明されていますが、国や地域ごとの対応状況までは書かれていません。うまく取り込めないものは、手動で追加する方法があります。
使い方 — 登録から最初の棚ができるまで
おおまかな流れは次のとおりです(画面の文言は英語です)。
- App Store で「Shelf: music, books, movies」を検索してインストールする(開発元が Koodos, Inc. になっているものを選ぶ)
- 電話番号などでアカウントを作り、ユーザー名を決める
- つなぎたいサービス(Spotify、Apple Music、Netflix、Goodreads など)を選んでログインする
- 取り込まれた曲や作品がプロフィールに並ぶ。並び順や背景色を変えて整える
- 友だちを探してフォローし、相手の棚を見に行く
連絡先へのアクセスを求められることがあります。友だち探しには便利ですが、許可しなくても使えるので、気になる人は後回しにして大丈夫です。
料金 — 基本は無料、振り返りの一部が有料
App Store では、基本無料でアプリ内課金ありと表示されています。執筆時点で日本の App Store に載っている課金項目は「Weekly Insight」の 150 円 です。名前からすると、週ごとの分析や振り返りを詳しく見るためのものと考えられますが、どこまでが無料かの詳しい区分は公式に書かれていません。まずは無料のまま棚を作ってみて、物足りなければ検討するくらいでよさそうです。
日本の似たサービスとの違い
日本にも「見たもの・読んだものを記録する」サービスはあります。映画なら Filmarks、本なら読書メーターやブクログが定番です。どれも日本語で使えて、作品のデータも日本向けに充実しています。
Shelf との大きな違いは 2 つです。
- ジャンルをまたいで 1 つにまとまる:音楽・本・映画・ゲームが 1 つのプロフィールに並ぶので、「この人はこういう趣味の人」が一目で伝わる
- 自動で取り込まれる:日本の記録サービスは基本的に自分で登録するのに対して、Shelf はつないだサービスから勝手に増えていく
逆に、日本の作品の感想をしっかり書きたい、日本語で同じ趣味の人とつながりたいという目的なら、日本のサービスのほうが向いています。「記録は Filmarks、見せ合うのは Shelf」と使い分けるのもひとつの方法です。
注意点 — 英語 UI・プライバシー・友だち集め
- 英語のみ:設定画面や通知も英語です。分からない単語はスクリーンショットを撮って翻訳アプリにかけると早いです
- 何を公開するかを確認する:App Store には「初期設定は非公開。何をつなぎ、何を見せるかは自分で決められる」と書かれています。それでも視聴履歴は意外と個人的な情報なので、最初に公開範囲を確認しておくと安心です
- 集めるデータ:App Store のプライバシー欄では、名前・電話番号・連絡先・利用状況などを「ユーザーに関連付けて」集めると申告されています(開発元の申告で、Apple の確認ではありません)。なお TechCrunch の取材では、つないだサービスのデータを AI の学習には使わないと創業者が話しています
- 日本では友だちが少ない:SNS なので、周りに使っている人がいないと「見せ合う」楽しさは半分になります。最初は自分用の記録として使い、気の合う友だちを誘うくらいがちょうどいいです
まとめると、Shelf は「自分の好きなもの」を自動で棚にしてくれる、見ていて楽しいアプリです。iPhone を持っていて、Spotify などをよく使う人なら、無料のまま十分に雰囲気を味わえます。英語の画面に抵抗がなければ、一度つないで自分の棚を眺めてみてください。
※ 料金・対応 OS・機能は執筆時点(2026 年 10 月)の App Store と報道をもとにしています。最新の情報は App Store のページで確認してください。