grug とは?Apple デザイン賞を受けたオランダ発「原始人の格言」アプリの中身
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毎朝ひとつ、原始人が片言の英語で人生の格言をつぶやいてくれる。そんな少し変わったアプリが、2026 年の Apple Design Awards(Apple デザイン賞)で受賞作に選ばれました。オランダの小さなスタジオ Ocho が作った grug です。先に結論を書くと、執筆時点(2026 年 10 月)で日本の App Store から無料で入れられ、App 内課金の表示もありません。表示は英語のみですが、使われているのは短くやさしい単語ばかりです。ホーム画面に「くすっとできるひとこと」を置きたい人なら、気軽に試せるアプリです。
grug とは — オランダの 2 人組が作った「原始人の格言」アプリ
Apple の開発者向けサイトに載ったインタビューによると、Ocho のメンバーは Jip van der Velde 氏と Michel Elings 氏の 2 人です。2012 年から一緒に仕事をしてきて、2025 年 4 月に Ocho を立ち上げました。App Store のバージョン履歴を見ると、grug の最初の版は 2025 年 9 月に公開されています。
主人公は「grug」という原始人で、毎朝ひとつ、短い格言を片言の英語で届けてくれます。App Store の説明文には、例として「fear just smoke. real but not solid.」(恐れはただの煙。本物だけど固くはない)や「wanting make poor. grateful make rich.」(欲しがると貧しくなり、感謝すると豊かになる)といった言葉が並んでいます。インタビューでは、格言は AI ではなく人の手で、grug の口調に合わせて書いているとされています。
App Store の説明から読み取れる機能は次のとおりです。
- 日の出とともに、その日の格言がひとつ届く
- 格言の上に指で絵を描き込める
- 格言をほかの人にシェアできる
- ホーム画面やロック画面のウィジェットに格言を表示できる
- ライト/ダークの切り替えや、色の変更ができる
見た目の特徴は、画面の文字がすべて手描きであることです。開発者は、既存の手書きフォントでは「きれいすぎる」と感じ、文字を自分たちで描いて、それを表示する仕組みまでアプリの中に作ったと話しています。この仕組みは、後に開発者向けの部品として GitHub でも公開されました。
2026 年 6 月 2 日、Apple は grug を Apple Design Awards の「Delight and Fun(喜びと楽しさ)」部門のアプリ受賞作に選びました。Apple の発表では、毎日の知恵を遊び心のある形で届けるアプリとして紹介されています。
日本から使えるか — 無料で入るが、表示は英語のみ
日本の App Store でも「grug」の名前で配信されています。執筆時点で確認した日本のストアの情報は次のとおりです。
- 価格:無料(App 内課金の表示なし)
- 販売元:Ocho B.V.
- 対応言語:英語のみ
- 対応機種:iPhone は iOS 18.0 以降。ほかに Apple M1 以降のチップを積んだ Mac(macOS 15.0 以降)と Apple Vision Pro(visionOS 2.0 以降)の表記があります
- 評価:日本のストアで 5 点満点中 4.7(87 件)、米国のストアで 4.8(約 3,300 件)
iPad は対応機種の欄に載っていませんでした。Android 版も見当たりません。
grug の言葉はわざと文法を崩した短い単語の組み合わせなので、中学英語くらいの単語力で意味を追えるものが多いはずです。ただ、レビュー分析サービス Appbot の記事(2026 年 4〜6 月のレビュー 866 件を分析)によると、レビューのおよそ 5 件に 1 件は英語以外の言葉で書かれ、翻訳を望む声も出ていたそうです。
2026 年 6 月のバージョン 1.2.0 の更新メモには、grug の口調で「言葉を長押し」「ほかの言葉を話せるようになった」という趣旨が書かれていて、何らかの多言語対応が入ったとみられます。日本語で読めるかどうかは、私はまだ確かめていません。
使い方 — 入れてから最初の格言を読むまで
公式サイトと App Store の説明から読み取れる流れは次のとおりです。私は全部の画面を実機で確かめたわけではないので、目安として読んでください。
- App Store で「grug」を検索して入れる(販売元が Ocho B.V. であることを確認)
- アプリを開く。公式サイトによると、ログインもアカウント作成も要りません
- その日の格言を読む
- 気が向いたら、格言の上に指で絵を描き込んでシェアする
- ホーム画面かロック画面を長押しし、ウィジェットの追加から grug を選ぶ
Appbot の記事では、最初の操作が分かりにくいというレビューも紹介されています。迷ったら、まずは「その日の格言を読んで、ウィジェットに置く」ところまでで十分です。
料金・似た日本のアプリとの違い・注意点
料金は、執筆時点では無料です。日本と米国の App Store のどちらにも App 内課金の表示はありませんでした。収益化の方針は公式には説明されていないので、将来変わる可能性はあります。
プライバシー面では、公式サイトに「no login. no cloud. no tracking.」(ログインなし、クラウドなし、追跡なし)と書かれ、App Store のプライバシー欄も「データを収集しません」となっています。どちらも開発元による申告ですが、名前やメールアドレスを預けずに使えるのは安心材料です。
日本にも、名言や格言を毎日表示するアプリやウィジェットはたくさんあります。多くは偉人の言葉を出典付きで紹介するタイプです。grug は、架空の原始人がオリジナルの言葉を片言で話すキャラクターものです。「ありがたい言葉」より「ちょっと笑えて肩の力が抜ける言葉」に寄せている点と、手描きの文字に絵を描き込める遊びがあるのが違いです。
注意したいのは次の 2 点です。
- 英語はわざと文法を崩しています。英語の勉強として真似するのには向きません
- Appbot の記事では、画面の読み上げ機能(VoiceOver)で使いにくいという声も紹介されています。読み上げを頼りにしている人は、入れてから確かめてください
毎朝ひとつ短い言葉を読む習慣が気に入ったら、紙の本で格言に触れるのもよいと思います。たとえば、ローマ皇帝が自分のために書き留めた言葉をまとめた 自省録 は、短い断章が並んでいて少しずつ読めます。
まとめ
grug は、オランダの 2 人組スタジオ Ocho が作った、原始人が片言の英語で毎日ひとつ格言をくれるアプリで、2026 年の Apple Design Awards「Delight and Fun」部門の受賞作です。執筆時点(2026 年 10 月)では日本の App Store から無料で入れられ、App 内課金の表示はなく、ログインも不要です。表示は英語のみで、対応は iOS 18.0 以降の iPhone(ほかに M1 以降の Mac と Apple Vision Pro)です。まずはウィジェットに置いて、1 週間ほど朝のひとことを眺めてみてください。
※ 本記事の情報は執筆時点(2026 年 10 月)のものです。料金・対応機種・機能は変更される場合があるため、最新の情報は公式サイトと App Store でご確認ください。