● 日本語の情報がまだ無いアプリを、実際に触って書く 2026-10-08 THU / 記事 25 本

ホーム › 記事一覧 › Snipd とは?ポッドキャストの「気になった数十秒」を AI が切り出すアプリの使い方

ポッドキャスト

Snipd とは?ポッドキャストの「気になった数十秒」を AI が切り出すアプリの使い方

公開 2026-10-02読了 6 分

Photo: Ketut Subiyanto / Pexels

この記事でわかること
イヤホンを操作するだけで、ポッドキャストの気になった場面を AI が文字起こし・要約して保存する Snipd。日本から使えるか、使い方、無料版と Premium の料金、日本語対応の注意点をまとめました。

ポッドキャストを聴いていて「今の話、メモしておきたい」と思っても、運転中や家事の途中だとスマホを取り出せません。そんな場面のために作られたのが、スイス発のポッドキャストアプリ Snipd です。イヤホンを操作するだけで、その直前の部分を AI が文字起こし・要約して保存してくれます。先に結論を書くと、日本の App Store と Google Play からアプリは入れられますが、執筆時点(2026 年 10 月)で AI 機能の対応言語に日本語は入っていません。英語のポッドキャストで学んでいる人には強い道具ですが、日本語の番組を中心に聴く人には向きません。

Snipd とは — イヤホン操作で「気になった部分」を保存するポッドキャストアプリ

Snipd は、普通のポッドキャストプレーヤーに AI のメモ機能を組み合わせたアプリです。運営はスイス・チューリッヒの Snipd AG。2020 年のハッカソン「HackZurich」で 1 位を取ったアイデアをもとに 2021 年に創業し、2022 年 3 月にはスイスの VC、Wingman Ventures がリードする 70 万ドルのプレシード資金調達を発表しています(会社側の発表)。

中心になる機能が「スニップ(snip)」です。聴いている途中でイヤホンの「戻る」操作をすると確認の音が鳴り、その場面が保存されます。公式ブログの説明では、保存されるのは「たいてい直前の 60 秒ほど」。その部分の音声から AI が文字起こしと要約を作ってくれます。

ほかに公式サイトが挙げている主な機能は次のとおりです。

  • エピソード全体の文字起こし(話者の区別と全文検索つき)
  • AI が作るチャプターと、再生前に読めるエピソードの要約
  • エピソードの内容について質問できる「チャット」
  • スニップを Notion・Readwise・Obsidian などへ書き出す機能(Bear・Logseq 向けの Markdown 形式にも対応)
  • YouTube 動画や手持ちの音声ファイルの取り込み

対応環境は iPhone と Android で、Apple Watch、CarPlay、Android Auto にも対応しているとされています。

日本から使えるか — アプリは入るが、AI 機能は日本語非対応

アプリそのものは日本から問題なく入れられます。日本の App Store では「Snipd | AI Podcast Player」として配信されていて、価格は無料(App 内課金あり)、iOS 15 以降に対応。評価は 5 点満点中 4.6(28 件)でした。Android 版も Google Play で配信されています。

注意点は 2 つあります。

1 つ目は、画面が英語だけであることです。日本の App Store の対応言語の欄は「英語」のみで、メニューも設定も英語で表示されます。

2 つ目がより大事で、AI 機能が日本語の番組に対応していないことです。公式ヘルプ(2026 年 3 月更新)によると、AI が対応しているのは英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語など 26 言語で、日本語は含まれていません。どの言語として処理するかは、番組の制作者が RSS フィード(番組の配信情報)に登録した言語で決まる仕組みです。つまり、文字起こしや要約というこのアプリの持ち味が生きるのは、英語などの対応言語の番組に限られます。

日本語の番組でスニップしたときにどう保存されるかは公式ヘルプに書かれておらず、私も確かめていません。日本語の番組が中心の人は、まず無料版で試してから判断するのが安全です。

使い方 — 登録から最初のスニップまで

以下は公式サイトとヘルプの説明に沿った流れです。

  1. App Store か Google Play からアプリを入れ、アカウントを作る
  2. 検索画面で聴きたい番組を探してフォローする
  3. エピソードを再生し、気になったところでイヤホンの「戻る」操作をする
  4. 保存されたスニップを開いて文字起こしと要約を確認し、必要なら Notion などに書き出す

イヤホンの操作はモデルによって違います。公式ヘルプによると、AirPods Pro(第 2 世代)はタッチコントロールの 3 回押し、有線の EarPods は中央ボタンの 3 回クリックです。どの操作でスニップするかは、アプリの「Settings > Snip with your headphones」で変えられます。

英語の番組で使うなら、気になった箇所でとりあえずスニップしておき、あとで要約と文字起こしを読み返すのが基本の流れになります。聞き取れなかったフレーズを文字で確かめられるので、英語学習の復習にも向いています。

料金と、ほかのポッドキャストアプリとの違い

料金は無料版と Premium の 2 種類です。公式の料金ページ(米ドル表示)では次のとおりでした。

  • 無料版:聴くのは無制限。スニップもできるが、AI 機能は週 2 エピソードまで
  • Premium:月 6.99 ドル(1 週間の無料体験つき)。AI 機能が無制限になり(AI 処理は月 900 分まで)、独自のプロンプト設定や、YouTube・音声ファイルの取り込みが使える

料金ページには「価格は国によって異なる」とも書かれています。日本の App Store の App 内課金一覧には「Snipd Premium」として 1,500 円、9,580 円、10,800 円などが並び、AI の処理時間を買い足す「500 AI minutes」(500 円)から「5000 AI minutes」(3,500 円)までもありました。どれが月額でどれが年額かはストアのページからは分からないため、購入前にアプリ内の表示で確認してください。

Apple Podcasts や Spotify のような一般的なポッドキャストアプリは、番組を「聴く」ための道具です。Snipd も聴くことはできますが、重心は「聴いた内容をメモとして残し、あとで使う」ほうにあります。Notion や Obsidian に読書メモをためている人なら、ポッドキャストのメモも同じ場所に集められる点が大きな違いです。

まとめ

Snipd は、イヤホンの操作ひとつでポッドキャストの「気になった数十秒」を保存し、AI が文字起こしと要約を付けてくれるスイス発のアプリです。日本の App Store と Google Play から入れられ、無料版でも週 2 エピソードまで AI 機能を試せます。ただし執筆時点で UI は英語のみで、AI 機能の対応言語に日本語はありません。英語のポッドキャストで学びたい人や、Notion・Obsidian にメモをためている人には試す価値があるアプリです。

※ 本記事の情報は執筆時点(2026 年 10 月)のものです。料金・対応言語・機能は変更される場合があるため、最新の情報は公式サイトとアプリストアでご確認ください。

編集部(本業: IT) 日本からアカウントを作って実際に触ってから書いています。使えなかったものは、使えなかったと書きます。